専門用語と種類が多くて、価格もピンからキリまであって、スイッチに適したHDMIケーブルにどれを選べばよいのかわからない。
そんな方々に、HDMIケーブル説明ページのどの部分に着目すればよいのか、ご紹介したいと思います。
ピンポイントでスイッチに重要な部分にだけ着目して選べば、スイッチに適した HDMIケーブルを購入できます。
HDMIケーブルとは

『HDMI』とは、High-Definition Multimedia Interfaceの略で、デジタルデバイス同士をつなぐケーブルのことです。
『HDMI』の役割は映像と音声をデバイスからデバイスへ転送すること。デジタル信号のまま転送することで、美しく高品位な映像と音声を実現します。
映像と音声は、今まで別のケーブルを使って(2本または3本)届けていましたが、HDMIの場合はケーブル1本で転送できます。
種類が多いのでスイッチに最適なHDMIケーブルを選ぶのに知識が必要
HDMIケーブルにはたくさんの種類があります。コネクタの形状も複数ありますし、出力可能な解像度の種類もたくさんあります。
スイッチは、「TVモード時」の解像度がフルHD( 1920×1080ピクセル60fps )なので、それに合わせたHDMIケーブルが必要になります。
スイッチの仕様に合わせたHDMIケーブルの選び方
間違ったら買いなおし 2つの重要項目
コネクタの形状「HDMI(Type-A)⇔HDMI(Type-A)」
あまり間違う方はいないでしょうが念のため。間違うと接続すらできないので、無条件で買い直しが決定する最重要項目です。
HDMIには、「Type-A」「Type-B」「HDMIミニ(Type-C)」「HDMIマイクロ(Type-D)」「Type-E」と、実は5種類もあります。
【Nintendo Switchドック】とテレビ(モニター)の間をつなぐために必要な「HDMIコネクタ」は、最も基本的かつ最も普及されている形のもの。
「HDMI(Type-A)⇔HDMI(Type-A)」と記載あるものです。『HDMI』とだけ記載されている場合も「HDMI(Type-A)」のことを指しているので、『HDMIケーブル』とだけ記載あるもので大丈夫です。
丁寧に「Type-Aオス – Type-Aオス」と記載ある場合もあります。
スイッチ用にHDMIケーブルを買う場合には、「Type-B」「HDMIミニ(Type-C)」「HDMIマイクロ(Type-D)」「Type-E」と記載がないものを選びましょう。
【Nintendo Switchドック】とテレビ(モニター)までの距離を測り余裕ある長さのHDMIケーブルを選ぶ
忘れがちですがかなり重要な項目です。目分量で適当な長さの『HDMIケーブル』を購入してしまうと、「あと30cm長さが欲しかった。」なんてことになります。
私なんかはこれで何度も失敗しています。
壁に沿って【Nintendo Switchドック】からテレビ(モニター)までの距離をしっかりメジャーで計測しておかないと、ほんの少しの長さが足りなくなるのです。
ケーブルを丸めなくて良いので、ぴったりくらいが理想とは思いますが、むしろ少しくらい余る方が、【Nintendo Switchドック】を移動させるときに助かります。
ただし、【Nintendo Switchドック】からテレビ(モニター)までの距離が5mを超える場合には、すぐに5m越えの『HDMIケーブル』を買うのではなく、一度冷静になって距離を詰められないかどうか検討しましょう。
なぜなら、『HDMIケーブル』は一般的に5mを超えるあたりから映像・音声データが劣化すると言われているからです。
5mを超える『HDMIケーブル』は、しっかりとしたメーカーが販売する製品の場合、映像や音声が劣化しない、劣化を抑制する対策が施されたものを販売しています。
同じメーカーの5m以下の『HDMIケーブル』と比べてもかなり高価で、よほどしっかり映像や音声劣化対策がなされているのだと推測できます。
これは私の実体験ですが、映像・音声劣化対策がなされた、とてもとても高価な8m『HDMIケーブル』を購入しました。結論から言うと失敗。
映像が劣化するどころか、映像が映ったり真っ暗になったり、ひどい時には全く映らないなんてことがあったのです。
たまたま不良品だったのかもしれませんが、5m以上が疑わしいと知っていながらたまたま試したときに限って、期待を裏切らない結果でしたので、それ以降5m以上の『HDMIケーブル』は使わないようにしています。
そもそもなぜテレビから【Nintendo Switchドック】をそれほど遠くに離したのかというと、スイッチが携帯ゲーム機でもあるからです。
テレビの横に【Nintendo Switchドック】を置くと、「携帯モード」でゲームしたいときにはわざわざテレビの横にスイッチを取りにいかなければなりません。
そして「TVモード」でゲームをしようと思ったら今度はテレビの前にスイッチ本体を置きにいかなければなりません。
物臭な性格なもので、この動作を面倒に感じた私は、テレビから遠い場所に【Nintendo Switchドック】を置きたいがため、とても高価な8m『HDMIケーブル』を無駄にしました。
スイッチにぴったりな種類は「ハイスピード」と記載されているもの
ケーブルの種類 | バージョン | 解像度とフレームレート | HDR | 帯域幅 | Nintendo Switch | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
スタンダード | Ver.1.2 | 1920×1200・60p | ✕ | 4.95Gbps | スイッチの性能を活かせない | ー |
ハイスピード | Ver.1.3 | 2560×1440・75p | ✕ | 10.2Gbps | スイッチの性能を活かせない | Deep Color、Dolby TrueHD、DTS-HD Master Audioなどに対応 |
Ver.1.4 | 4096×2160・24p 3840×2160・30p | ✕ | 10.2Gbps | スイッチにぴったり スイッチ本体購入時に付属されるHDMIケーブルと同じスペック | Ver.1.3 + 3D、4K 30p、ARCなどに対応 | |
Ver.2.0 | 3840×2160・60p | ✕ | 18Gbps | スイッチには過剰スペックだけど余裕をもって使える | Ver.1.4 + 4K 60p、アスペクト比21:9などに対応 | |
プレミアム ハイスピード | Ver.2.0a | 3840×2160・60p | ○ | 18Gbps | スイッチには過剰スペックだけど余裕をもって使える | Ver.2.0 + HDRに対応 |
Ver.2.1 | 7680×4320・60p 3840×2160・120p | ○ | 48Gbps | スイッチどころか4Kテレビにも過剰スペックなのでお勧めしない | Ver.2.0a + 8K 60p、4K 120p、eARC、可変リフレッシュレート などに対応 |
表を見ていただくとわかるのですが、スイッチにぴったりのHDMIケーブルは「ハイスピードVer.1.4」になります。
「ハイスピードVer.1.4」以上のスペックがあればいいので、過剰スペックであっても、「ハイスピード Ver.2.0」や「プレミアムハイスピード Ver.2.0a」でも構いません。
ただし、バージョンの数字が増えれば増えるほどHDMIケーブルの性能が上がりますので、その分価格も高くなります。
それではもったいないので、スイッチに適切な「ハイスピードVer.1.4」が最もおすすめです。
スイッチ本体を購入した場合に付属されるHDMIケーブルも「ハイスピードVer.1.4 になります。
「ARC」対応テレビ(モニター)+「ARC」対応シアターシステムのご利用をお考えの方
※TV内臓のスピーカーのほかに、いいスピーカーを使うご予定のない方は、「ARC」の部分は読み飛ばしていただいて大丈夫です。
テレビ(モニター)の欠点はスピーカー。そのためゲームや映画鑑賞を趣味とされている方であれば、シアターシステムの導入を考えている方も少なくないかと思います。
今はとても便利で、アンプも複数のスピーカーも1つにされた「サウンドバー」なるものが販売されているので気軽にシアターシステムを導入できます。

シアターシステムを導入するうえで気を付けなければならないのは、『HDMIケーブル』に搭載される機能です。「ARC」と呼ばれる機能。
何も考えずに 『HDMIケーブル』 を購入し、 【Nintendo Switchドック】 とシアターシステムとテレビ(モニター)を『HDMIケーブル』で接続します。
するとスイッチのゲームサウンドが高品質なシアターシステムスピーカーで聴けるようになります。
スイッチの映像はシアターシステムを素通りしてテレビ(モニター)に出力されます。
問題は、テレビ番組の音声やテレビのHDMI端子につないでいる「Amazon FireTV」などのSTBや、Blu-ray&DVDなどの音声です。
通常HDMIケーブルは、STBや、Blu-ray&DVDなどの映像&音声をテレビに入力するためにつなげます。
STBや、Blu-ray&DVDなどの映像&音声をテレビの中に入れるのです。なのでその逆はありません。テレビの音をそのに出す・出力することはできません。

そこで登場するのが「光デジタルケーブル」。『HDMIケーブル』に「光デジタルケーブル」も追加、2本のケーブルをつなげるのです。
スイッチのゲームサウンドはもちろんシアターシステムに送られます。スイッチの映像はシアターシステムを通り過ぎ、テレビ(モニター)に送られます。
「Amazon FireTV」、Blu-ray&DVDの映像&音声もテレビに送られます。
しかし、テレビから出るはずのテレビ番組の音や「Amazon FireTV」、Blu-ray&DVDの音は、テレビからさらに光デジタルケーブルを通してシアターシステムに届けられます。
この接続方法であれば、高品質なシアターシステムですべての音を聴くことが可能となります。
ただし、残念ながらケーブルは光デジタル分・1本増加してしまいます。

そこで登場するのが 「ARC」 。「ARC」とは、Audio Return Channel(オーディオリターンチャンネル)の頭文字をとったもの。
Audio Return。音声を送るだけでなく返すこともできる『HDMI』という意味になります。
テレビ(モニター)に搭載される『HDMI端子』、シアターシステムに搭載される 『HDMI端子』 、そして 『HDMIケーブル』 、3つとも 「ARC」 に対応していることで実現可能です。
比較的新しいテレビ(モニター)で、例えば4つの 『HDMI端子』があるのなら、そのうちの一つが「ARC」に対応しています。
テレビ(モニター)本体の『HDMI端子』に直接(ARC)と記載あるので、対応・非対応がすぐにわかります。
なのでもし、 「ARC」 対応のテレビ(モニター)ご利用で、 「ARC」 対応の シアターシステムの導入をお考えでしたら、『HDMIケーブル』も「ARC」対応のものを購入しましょう。
「ARC」はオプション機能です。同じ「ハイスピードVer.1.4」であっても、 「ARC」 対応のものと非対応のものがあるので注意。
好みで選んでよいHDMIケーブルの特徴5つ
これからご紹介する5つの項目については、そこまで重要ではない 『HDMIケーブル』 の特徴です。好みに合わせて選んでも問題ありません。
ですから読み飛ばしてもらっても問題ありません。
ケーブルの耐久性 or 取り回しを決める形状と被覆素材
『HDMIケーブル』のケーブル部分の素材や形状についてです。
主な形状は3種。素材の種類も合わせると全部で4種。上から見ていくと耐久性の順番。逆に下から見ていくと取り回しの順番になります。
被覆素材:ナイロンメッシュ と プラスチック
踏みつけたり、引っ張り、折り曲げなどの負荷からケーブルを守る強力な「ナイロンメッシュ被覆」とコストの安い「プラスチック被覆」の2種類あります。
「ナイロンメッシュ被覆」は、踏みつけたり、引っ張り、折り曲げなどの負荷からケーブルを守ってくれる耐久性に優れた素材。
衣類にも使われている素材なので手触りも良くカラーバリエーションも豊富です。
「プラスチック被覆」はコストが安いのに比較的踏みつけたり、引っ張り、折り曲げたりにも強い素材。
ですが耐久性は「ナイロンメッシュ」に劣ります。
形状1:スタンダードタイプ
スタンダードタイプのケーブルの太さはおおよそ5.5mmと太め。
芯線(ケーブルの中にある複数本のケーブル)の太さも「スリムタイプ」や「フラットタイプ」に比べて太めです。
限度がありますが、一般的に芯線が太い方が伝導率が高いので、映像・音声データの品質が劣化しにくくノイズが発生しにくいと言われています。
芯線の太さの単位は「AWG」。数値が低いほど芯線が太いので、「AWG30」より「AWG24」の方が良い『HDMIケーブル』ということになります。
ただし、「スリムタイプ」や「フラットタイプ」に比べて曲げにくいので、取り回しは断然劣ります。
形状2:スリムタイプ
ケーブルの太さはおおよそ4mm。それに伴い芯線(ケーブルの中にある複数本のケーブル)の太さも細めのケーブルです。
床や壁面に合わせて這わせやすかったり、狭い隙間でも使えるなど、取り回しにおいて「スタンダードタイプ」に勝ります。
芯線が細いので、品質劣化や耐ノイズ性能において「スタンダードタイプ」に劣ります。なのでゲーム向けのケーブル形状ではありません。
耐久性も「スタンダードタイプ」の方が上。
形状3:フラットタイプ
太麺みたいな形をしたケーブルです。横幅が7mmくらいで太めですが、厚さはなんと2mmくらいのとても薄いケーブル。
薄ぺっらいので、最も床や壁面に合わせて這わせやすいケーブルになります。薄さを活かして扉の隙間を通すことも可能。ラグマットの下を通しても凹っと膨らみません。
ただし耐久性は最も弱く、品質劣化や耐ノイズ性能も最も弱いといってよいでしょう。
部屋の美観を損ないたくない方に最もおすすめできる『HDMIケーブル』ですが、やはりゲーム向けのケーブルではありません。
ノイズ軽減させるシールド構造
ケーブル部分のシールド(ケーブルを覆う周りの被覆のこと)にこだわることでノイズ軽減をはかる『HDMIケーブル』。
例えば、高周波ノイズ用シールドや低周波ノイズ用シールドなどで覆うことで、ノイズの侵入を防ぎます。3重のシールド構造を採用しているものもあります。
ノイズ軽減させるコネクタ部のテープシールド
コネクタ部にもノイズを軽減させる工夫がなされた『HDMIケーブル』もあります。
銅箔シールドを採用しているものが多いようで、ノイズの侵入や漏れを抑制しています。
映像・音声の品質劣化を防ぐプラグメッキ
サビや映像・音声の品質劣化を防ぐ「金メッキ」がなされた 『HDMIケーブル』 です。
色
外部被覆(シース)の材質が「プラスチック被覆」のものは黒いケーブルや青、白のケーブルがありますが、まったく魅力を感じません。事務所のような配線。
「プラスチック被覆」に黒色が多い理由は、黒色のみ耐候性に優れるという特徴の名残だと考えられます。
それに比べて「ナイロンメッシュ被覆」は、衣類同様にカラーバリエーションが豊富です。
黒だとしてもクールなブラック。おしゃれなグレーやブルー、レッドなどもあります。
音響や映像といったエンタメ系の家電は「黒物家電」と呼ばれるほどに黒いものが多いので、「ナイロンメッシュ被覆」の『HDMIケーブル』であれば良いアクセントにできます。
まとめ:スイッチのHDMIケーブルを選ぶなら
- コネクタの形状「HDMI(Type-A)⇔HDMI(Type-A)」
- 【Nintendo Switchドック】とテレビ(モニター)までの距離をしっかりはかる、もしくはテレビの隣に置く
- スイッチには「ハイスピード」と記載されているものを選べば間違いない
- 「ARC」対応シアターシステムのご利用の方はARC対応のハイスピードVer.1.4 HDMIケーブル
- ケーブルの素材はナイロンメッシュでもプラスチックでも好みでよい
- ケーブルの形状はスタンダードタイプがおすすめ
- 高周波ノイズ用シールドや低周波ノイズ用シールドなどのシールドがあるほうがいい
- ノイズ軽減させるコネクタのテープシールドがあるほうが良い
- 「金メッキ」されたプラグのがよい
- 色はお好み